大連に暮らしてみれば Vol.124
「大連に行ってみないか」。2014年の夏、深センのある居酒屋で突然、当時の上司に言われた時のことを思い出します。考えますと言ったものの、自分の中では既に大連はどのような場所なのか想像し始めていました。その日から約1ヶ月後には、盛大に開いてもらった送別会の余韻を引きずりながら大連の空港に降り立ちました。それまで住んでいた香港や深センにはない、乾いた空気をとても新鮮に感じながら大連での生活を開始しました。
早いもので3年という月日が流れて、その間には「深セン、もしくは上海に異動しないか」。という別の上司との会話があったものの、その際に自分で大連に残る意思を伝え、起業するに至りました。周囲の人には意外な選択に映ったようですが自分の中では自然と決断ができました。決断という言葉の通り、大連を離れるという選択肢はその当時自分にはないと感じたためです。大連に来る際、確かに自分の中にはワクワクするような何かがありました。一方、大連を離れるということを考えた際にそこに何か魅力に感じるものがなかったというようにも言えます。
その直感による選択が正しいかどうかはわからないものの、自分では何も後悔がありません。それは大連でこんなに自分を助けてくれる人たちがいる、ということに尽きます。国籍を問わず、接する人たちが自分のことを気にかけ応援してくれる、それだけで大連にいる意味は十分だと感じています。